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代表司法書士・相続診断士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

みなし株主総会(決議)-会社法第319条

株主総会決議があったものとみなすことができる

株主(議決権を有する株主に限ります)の全員が、株主総会で決議する事項について賛成・同意しているケースにおいても、わざわざ時間を合わせて一同に会し、実際に株主総会を開催しなければならないとなると会社にとっても株主にとっても負担ばかりでメリットがありません。

会社法第319条第1項によると、全ての議決権のある株主が、株主総会で決議する事項について賛成・同意する旨の意思表示を書面または電磁的記録による意思表示をした場合は、株主総会の開催および決議を省略できるとされています。この方法による株主総会決議を、みなし株主総会決議あるいは株主総会のみなし決議といったりします。

書面または電磁的記録による意思表示が必要ですので、口頭での同意はNG、電子メールでの同意はOKということになります。

この方法は、完全子会社の株主総会や株主が外国にいる外資系企業などで多く利用されているように思います。

(株主総会の決議の省略)
会社法第319条第1項

取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。

株主総会の目的である事項の提案者

株主総会の目的である事項(取締役の選任など)を、みなし株主総会決議により行う場合、当該事項を提案できる者は取締役または株主とされています。

株主全員に当該事項を提案する前に、当該提案について取締役会あるいは取締役全員(または過半数)の承認を得なければならないかどうかについては、承認が必要だ・不要だという両方の主張があり、個人的には不要であるように思っていますが、有名な先生が必要説をとっているとなると、他の取締役の承認を得られるのであれば得ておこうと思ってしまいますね。。

みなし株主総会決議の成立日

みなし株主総会決議は、議決権のある株主全員の同意の意思表示が会社に到達した日に成立します。

12月7日に決議があったとみなしたい場合でも、12月7日までに同意書を会社まで返送してくださいと11月末頃に株主に提案書・同意書を送付すると、12月6日までに全員の同意書が揃ってしまうこともあるかもしれません。

12月6日に全員の同意書が揃ったのであれば、株主総会の決議があったものとみなされた日は12月6日となります。

決議日を調整する場合、「なお、12月7日に決議の効力が発生します。」などのように決議に期限を設ける方法や、会社の役員等が株主の1人なのであれば、当該役員が同意書を提出するタイミングを調整(上記の例では当該役員のみ12月7日に提出する)するような方法が考えられます。

決議日はいつでもよく決議内容の効力発生日を調整したいのであれば、提案内容に効力発生日を設ける方法が考えられます。例えば「平成28年12月25日付けで、当会社の定款を別紙のとおり変更する。」などです。

みなし株主総会議事録

みなし株主総会決議が成立したときも、実際に株主総会を開催したときと同様に株主総会議事録を作成し保存しておかなければなりません。

みなし株主総会決議にかかる株主総会議事録の記載事項は次のとおりです。

  1. 株主総会の決議があったものとみなされた事項の内容
  2. 提案をした者の氏名
  3. 株主総会の決議があったものとみなされた日
  4. 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
登記申請の添付書類として提出

取締役の就任の登記のように、株主総会議事録をその登記申請の添付書類として提出する必要があるケースでは、みなし株主総会議事録も取締役の選任を証する書面として提出することができます。提案書と同意書は提出する必要がありません。

なお、みなし株主総会議事録を添付書類として提出するときも、株主リストの添付は必要です。

定時株主総会もOK

みなし株主総会決議は、臨時株主総会だけではなく定時株主総会においても利用することができます。

定時株主総会において報告事項がある場合は、会社法第319条第1項ではなく会社法第320条により、株主全員に当該報告があったとみなすことができます(株主総会への報告の省略)。

当該報告があったとみなされた事項も株主総会議事録に記載する必要があります。

  • 株主総会への報告があったものとみなされた事項の内容
  • 株主総会への報告があったものとみなされた日
  • 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

(株主総会への報告の省略)
会社法第320条

取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。


この記事の著者

司法書士/相続診断士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士・相続診断士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

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