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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

株主総会の決議において、総株主の同意が必要な事項

株主総会と決議事項

取締役会のない会社の株主総会では、会社に関する一切の事項について決議をすることができるとされており(会社法第295条1項)、取締役会のある会社の株主総会では、会社法で規定された事項と定款で定めた事項のみ決議をすることができます(会社法第295条2項)。

株主総会にはその決議する議案によって要件が異なります。

決議要件については次の記事をご参照ください。

≫株主総会とその決議要件(普通決議、特別決議、特殊決議 他)

総株主の同意が必要な決議事項

株主総会の決議事項の中には、総株主の同意が必要なものがあります。

株主総会を実際に開催して株主全員がそれに出席をし、一堂に会して議案に全員で同意する必要はなく、株主全員がそれぞれ同意をしていれば問題ありません。

これは会社法第319条1項の、いわゆるみなし株主総会とは異なります(もちろん、みなし株主総会を行っても株主全員の同意を得られているため問題はありません)。

≫みなし株主総会(決議)-会社法第319条

役員等の責任の全部免除

取締役等は、その任務を怠ったときは、会社に対して損害を賠償する責任を負います(会社法第423条1項)。

そして、この責任は、総株主の同意があるときは免除することができるとされています(会社法第424条)。

なお、総株主の同意が得られない場合でも、株主総会の特別決議により、その一部を免除することは可能です(会社法第425条1項)。

また、責任一部免除は次の方法によっても行うことができます。

≫取締役等の会社に対する責任の免除に関する規定の登記
≫責任限定契約(会社に対する賠償責任と(一部)免除)

全ての株式への取得条項の設定、変更

発行する全部の株式に取得条項を付ける、またはその内容を変更する定款変更をするときは、株主全員の同意が必要です(会社法第110条)。

自己株式取得にかかる会社法第160条の規定の排除

株式会社は特定の株主からその所有する株式を取得する旨の株主総会決議をすることができ(会社法第160条1項)、当該株主以外の株主は自分の株式もその対象とすることを請求することができます(会社法第160条3項)。

株式会社が特定の株主から株式を取得するときに、他の株主が所有する株式もその対象としてほしいという上記請求を、定款に定めることにより禁止することができます(会社法第164条1項)。

これを定款に定めるときは株主全員の同意が必要です。

≫株主総会の決議等による自己株式の取得

対価が持分となる組織変更

株式会社が合同会社等の持分会社となる組織変更をするときは、効力発生日の前日までに、その組織変更計画について株主全員の同意が必要です(会社法第776条1項)。

≫組織変更の手続き(株式会社から合同会社へ)

対価が持分となる組織変更

吸収合併や新設合併の消滅会社、株式交換の完全子会社の株主への対価が持分会社の持分となるときは、合併契約や株式交換契約について、消滅会社または完全子会社の株主全員の同意が必要となります(会社法第783条2項、会社法第804条2項)。

≫吸収合併の手続き
≫新設合併の手続き
≫株式交換の手続き


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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